10年続けたCTOを辞め、新たな道へ

ZARU
Nov 6, 2023

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おれはCTOをやめるぞ!ジョジョーーッ!

だれ?

こんにちは @zaru というIDで活動しているプログラマです。今年で40歳になります。株式会社ベーシックでCTOをしており、個人ではYouTubeでムーザルちゃんねるという技術動画を配信したり、コードが動かないので帰れませんという技術書を書いたりしています。プログラミングとデザインが好きです。

こんなアイコンで活動してます

ベーシックに中途で入社し14年、CTOをやって10年たちました。ベーシックではメディア事業に始まり、スマホのゲームアプリ開発や、アドネットワーク、最近ではBtoB SaaSの開発をしていました。

ベーシックという同じ会社にいながら全く異なる仕事をしていたので飽きることなく、あっという間に時間が溶けていった感覚があります。当時開発メンバー最年少で入社したのに、今では最年長になってしまいました。そして、今年2023年末をもってCTOを辞め正社員ではなくなる選択をしたので、区切りとしてブログを書きます。

CTOを辞める

実は、CTOを辞める決断は2年前にしていました。当時の経営チームに2代目CTOを探す旅をしたいと相談していましたし、社内にも伝えていました。

そしてその間、さまざまな方にお会いしていろいろお話をさせていただいたのですが、縁なく2代目は見つかりませんでした。そう簡単に出会えるようなポジションではないのは分かっていましたが実際難しかったです。

つまり僕がCTOを降りた後はCTO不在という形になります。理想ではきちんとバトンタッチしたかったのですが、こればっかりは仕方がありません。

ただ、その間に社内メンバーがメキメキと成長し、責任が大きい立場で活躍してくれて、ここ最近は僕がほぼノータッチでチームを引っ張っています。その様子を見て不安なく降りる決断をすることができました。ありがとうございます。

ベーシックの開発チームは7割近くが新卒で入社してきてくれている方たちで構成されていて、僕が一緒に働きたいと採用したメンバーばかりです。そういったメンバーが想像以上に成長し、自分が人的単一障害点ではなくなるほどに強いチームになって、本当に嬉しく感じています。

CTOという開発のトップがいなくなるのはネガティブに感じることもあると思うけれど、個人的には変化し、より良くなっていく機会だと捉えています。なのでメンバーに申し訳ないという気持ちはあれど、どちらかというとこれからの変化と進化を楽しんでいってくれ!という応援の気持ちが強いです。Enjoy Hacking!

なぜ辞めたの?

わかりやすいネガティブな理由はなく、これからの組織にとって必要なCTOを考えた時に「僕じゃないな」と素直に思ったのと、自分がやりたい事に集中できる環境にしたかったという2点です。

CTOの役割は組織とフェーズによって異なると思っていて、小さな組織のCTOはいわゆる何でも屋であったり、突出した開発力を持って高速に事業を実現していくような役割。そして当然、CTOである限り経営目線も重要で何に投資すべきかを適切に判断し、最小限のコストで最大の価値を生み出すための仕組みやチームを作る必要があります。

僕は主にこのフェーズにおいてパフォーマンスを出せるタイプの人間でした。自分がそう思っているだけで、実際にパフォーマンスを出せていたかは分かりません😇

そして、上場を目指していく組織では、より戦略的な役割に変化します。いかに拡張しやすい体制を作っていけるか、拡大していく事業や組織と設計をフィットさせること。納得感があり実益のある評価制度。そして経営目線で技術投資とビジネス戦略の結びつきをより深掘りし、いかに数字を作っていくかという考え方が重要だと思っています。そして、上場後はさらに変化していくのでしょう。

それらの領域に対して僕がオールラウンドにハイパフォーマンスを出し続けられれば良かったのかもしれませんが、正直僕には難しかったです。なぜなら自分が率先してコードを書くことを止められないタイプだからです。あらゆるフェーズで自身を環境に適応し続けて進化できる人って、本当にすごいなと思います。

それを踏まえると最初に言ったように僕以外の誰かがCTOになることがベストな選択だと思うようになりました。

求められるCTOとのギャップ

先程も書いたように僕自身はコードを書き続けるプログラマでありたいという思いが強く、ずっと手を動かしていたいタイプです。何を作るか、なぜ作るかを自分で考え、作っては壊し作っては壊しを繰り返しながら形にしていくのが好きです。

その反面、コードから離れた領域や経営に関する興味関心が相対的に低いです。ユーザとコードのことであれば一日中考え続けられるけれど、組織と経営に関してはそうではなかったです。興味はあれど、規模を大きくすべきというベクトルに謎の抵抗感がありました。

特に組織設計に関しては僕はダメダメで、僕の思想が「評価制度は必要ない」「マネジメントは最小限」「階層構造はなくしたい」「小さいチームで大きな仕事」というもので、組織を拡大していくことにうまく対応することができませんでしたし、それを実現するだけの気持ちも強くありませんでした。

こういった自覚がある中でCTOとして振る舞っていかないといけないことは正直苦痛でした。どうにか状況を変えたいと、もがいたけれどうまくいかなかったです。悲しい。

ベーシックのみんなへ

苦しい瞬間もありましたが、ベーシックには入社してから本当に自由にいろいろなことをさせてもらって感謝しています。

僕がこうした方がいいと提案したことを信頼し任せてくれる土壌がありました。てきとうにプラプラしていてもフォローしてくれるメンバーに囲まれて幸せでした。ありがとんかつさくさく🐷立場は変わるけれども、これからの成長と変化を楽しみにしながら応援しつつ、僕で役に立てることがあれば全力でやっていきます。よろしくお願いします。

これからのこと

株式会社nanabit(ナナビット)という会社を立ち上げました。受託開発や開発支援を中心に、YouTubeや書籍の執筆などの創作活動、あとは小さいプロダクト開発をして行く予定です。

ロゴも作りました。かわいいですね。

YouTubeと執筆活動

僕はYouTubeでムーザルちゃんねるという技術系動画を配信しています。

こんな動画を作っています

更新は不定期ですが、僕と相方のムーさんが面白いと思える技術ネタを中心に作っています。技術を楽しんでくれる人が増えると、もっと世界は楽しくなると思っているので、そういった動画を生み出せるように歯を食いしばって編集作業をしています。

また、この2年ほどで技術書を2冊執筆させて頂く機会がありました。原稿と締切に追われているときは、もう本当につらいという気持ちがあるのですが、書き終えると次は何を書こうかな…?と妄想する程度には面白いです。

書いた本、良ければ買ってね!

今後はこういったYouTubeや執筆などの創作活動をより加速させていきたいと思っています。

お仕事募集

ということで、開発や創作活動に関する相談や依頼があればぜひご連絡ください。フロントからサーバ・インフラまで幅広く対応が可能だと思います。

https://nanabit.dev/

開発が得意なもの

  • Ruby on Rails / Next.jsなどのWebフレームワーク全般
  • ライブラリアップデートやリファクタリング
  • パフォーマンス改善
  • 式年遷宮あるいはリアーキテクチャ
  • スケーラブルで運用コストが低いインフラ構築
  • 要件定義フォローやプロジェクト管理

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株式会社nanabitで働くプログラマです

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